音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

セミナースケジュールはこちらです。 山本美芽オフィシャルサイト

インベンションでヘミオラって習いましたか?

 

バッハ インヴェンション 分析と演奏の手引き  分析:小鍛治邦隆 演奏の手引き:中井正子

バッハ インヴェンション 分析と演奏の手引き 分析:小鍛治邦隆 演奏の手引き:中井正子

 

 


チェンバロがご専門の先生から「インベンションを生徒さんがコンクールの地方予選で弾いたときヘミオラも知らない審査員がいたことに驚いた。生徒は予選を落ちたけれど、それ以来ピアノのコンクールとは一線を引くようにした」という趣旨のコメントを、フェイスブックにいただきました。

私も含め、残念ながらバロックに関するピアノ教育全体のレベルはまだまだ足りないと思います。

ヘミオラを知らない審査員、という切り口をいただいたので

「インベンションを弾いたとき、「ヘミオラ」って習いましたか。
私は習ってない気がする。
ヘミオラって言葉は、大学のオーケストラや指揮法で習ったような。これは中井正子先生のインベンション」というふうにまたフェイスブックで問いかけてみました。f:id:mimeyama:20161104074900j:image

 

「ヘミオラ自体はどこかで習ったが、インベンションの3番で『これがヘミオラよ』と習ってない」という意見が,

昭和生まれのピアノの先生の大多数から寄せられました。

大人になって指導者としてやり直したレッスンできいた、最近娘さんをレッスンに連れて行って聞いた、という先生もいましたけど。

 

昭和生まれの私たちが習ったインベンションって・・・師匠の年齢やどういう勉強をした方かにもよりますけど、かなり古い日本のピアノ教育のレベルのまんまな気がします。

受けた教育が古いとかけしからんとか文句を言うのは簡単ですが、当時は情報がなかったんだと思うんですよね。

しかし今は情報があるわけなんで、それなのに情報を更新しないのは怠慢で、自分が受けた教育を古いだのけしからんだの言う資格もありません。

子どもの頃に習ったことをそのまま教えるのでは古いです。相当バージョンアップしていく必要があるなと再確認しました。

 

 

奈良の仙波治代先生が教えて下さったヘミオラについての説明ページ。おすすめです。

http://www.ne.jp/asahi/music/marinkyo/muziko/unuduono.html.ja

 

 

 

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全国で展開してきたピアノ教本セミナー。
 今回は、表参道での開催です。
 少人数で、連弾にも参加しながらじっくりと教本の歴史を
 頭に叩きこむ濃密な2時間になる予定です。

「いつも同じ教本ばかり生徒に紹介してしまう」
「使っている教本のシステムがよく分からない」
「教本の途中で生徒が飽きてしまう」
こんなお悩み、抱えていませんか?
 今回の講座では、実際に最もよく使われている教本を中心に、
生徒一人一人に合った教材を探すためのポイントをお話しします。

~ピアノ教本の歴史と概要~

 ヨーロッパで生まれたピアノ教本がアメリカ、
そして日本に輸入され、やがて日本で国産のピアノ教本が生まれます。
こうした歴史を踏まえ、いま人気のピアノ教本の中から
生徒さんのタイプ別に選び方を提案します。

バイエル(各社版) メトードローズ(音友)
トンプソン小さな手のためのピアノ教本(全音) 
ミクロコスモス1&2 (音友) ピアノの学校1 
コダーイこどもの音楽教育 
トンプソンはじめてのピアノ教本1(ヤマハ
バーナムピアノテクニック 導入書(全音) 
ペース 幼児用おんがくをはじめよう(音友)
バスティン ピアノベーシックス パーティー 
ルフレッドレッスンブックA 
スオミ・ピアノスクール(ヤマハ
ロシア奏法によるピアノ教本はじめの1歩 1(音友)
新版オルガンピアノの本 1 
うたとピアノの絵本1みぎて(音友)
ピアノランド1(音友)
ピアノひけるよジュニア1 
Miyoshiピアノメソード1(カワイ)
ゴーゴーピアノ1(サーベル社)
 練習しないで上達する 導入期のピアノ指導 呉暁(音友)

●受講の先生のご感想
押見雅子先生
昨今のピアノレッスン・ピアノ教本には、ピアノを習う個々の生徒に合わせながら楽しく基本を学び、総合的音楽力、演奏力を身につけることが求められています。

バイエル・チェルニーで育った世代(バイエルしかなかった時代?)としては、大変なプレッシャーを感じています。それだけ日本のピアノ教育が進化し多様化しているという幸せな時代でもあります。

そんな中で、楽譜売り場を華やかに賑わす教本の数々。音楽ライター/ピアノ教本研究家の山本美芽先生はそれらを良い悪い、好きか嫌いかではなく、公平なものの見方でその日のセミナーを組み立てて下さいました。

まず海外と日本の教本とに分けて、教本の歴史を追い、それぞれの関連性を検証しました。そこから見えてくる20種類ほどの教本の特徴を比較しながら説明、実際に弾いてみたり、受講者の経験を引きだしながら進行していきました。
そこには受講者から大きなうなずき声が度々広がります。全調の総合型教本はペースメソッドが基本となっているということ、脱力を身につけてからレッスンを進めていく教本、即興から始まり創造力を育てていく教本、その時にできなくても早めに難しいことに慣れておく考え方など、大変興味をそそられました。
 続きはこちら→http://www.piano.or.jp/seminar/news/2015/07/28_20023.html

 


ピアノ教本セミナー
11月10日(木)表参道クラシックスペース
http://omotesando-musicstudio.com/
スタインウェイのセミコンのあるスタジオです。
東京メトロ(銀座線、半蔵門線、千代田線)表参道駅
B2出口(階段のみ)より徒歩2分
B3出口(エスカレーター)より徒歩2-3分
10:30~12:30
受講料: 4500円
定員:15名
講師:山本美芽(音楽ライター、ピアノ教本研究家)
お申し込み:http://mimeyama.jimdo.com/mail/ より11月10日受講希望と書いてご連絡ください。

残席わずかなのでお早めにどうぞ。