音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

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勉強も好きだったけれど、音楽を、ピアノを選んだ。そして・・・砂川めぐみ先生インタビュー

奈良県のピアノ講師、砂川めぐみ先生のインタビューを執筆したものが公開になりました。http://felicepiano.blog119.fc2.com/blog-entry-335.html

めぐみ先生のブログを初めて読んだとき、この文章はちょっと普通じゃないなとピンと来ました。ライター志望だったのかなぁ? とかいろいろ想像していました。

今回いろいろお話させていただいてわかりましたが、私とめぐみ先生は、すごく共通点が多いのです。

高校のとき進学校にいて、そこから教員養成大学に進んで、さらにピアノから離れた時期があって、そこから戻ってきて今があるところ。

ちょっと私の話をします。

私の行っていた学校は埼玉県の浦和第一女子高校というところ。県内の女子の行き先としては一番難しい学校です。もちろんさらに凄い人たちは、都内の中高一貫校に行っているのですけれどもね。東大に入るのは学年で数人でしたけど、やはりものすごい頭脳の持ち主がいっぱいいました。

仲良かった友人は、現役で一橋大学から国家一種にストレート合格。人事院に入りました。いまでも覚えているのですが、彼女はテスト3日前までは授業中寝ているのです。そして3日前からおもむろに勉強をはじめ、私が彼女を教えています。そしてテスト前日には、彼女はだいたい範囲をマスターして、私がわからない問題を教えてくれました。もう頭の構造が違うんだなと、痛感せざるをえなかったです。もちろん彼女はうちの高校でもトップクラスでしたけど。私も、地元の公立中学では、学年トップもよくとっていましたが、それはそれ、地元は地元、井の中の蛙になるほど恥ずかしいことはないですから、落ちこむこともなく、受け止めました。ただ、自分が勉強がよくできるほうなんだ、とか、勉強が得意なんだ、とは思えなくなりました。
女子のトップ校でもこういう気持ちになるわけです。

めぐみ先生の行っていた天王寺高校は共学です。大学合格実績を見ると、京大合格者が3桁とか、東大が数人とかの私の母校とはまた桁が違います。そこに混じっていたことも、大変なことです。どれほど頭のいい人が多い環境だったのだろう。そこでどんな気持ちでいたのだろう。

私は中学時代に、音楽の道に進もうとは思っていました。
ただ、ピアノを音大の先生のところに行って習いはじめた瞬間に、「あ、自分は、ここでは出来がいいほうじゃないんだ」と、わかりましたよね。音大の先生の門下の発表会に出ると、みんなすごく上手で。あ、ピアノも、世の中では全然たいしたことないんだということも痛感している。結局、ものすごく秀でているものは、何もないという事実に気づくわけです。


べつに1番になるために勉強しているわけでも、音楽をやっているわけでもない。ただ、私は、地元では勉強が得意なのね、ピアノがうまいのねといわれて、それに張り合いを感じて頑張っていたのは事実でした。なので、実は世の中全体から見れば、得意とかうまいとかいっても、そこそこであると認識したあと、自分はどうすればいいのだろうと考えてしまったんですね。何をしたら人の役にたてるのかなって。それが見えなくなってしまった。

ある意味、それはつらいけれど、その時点でちゃんと現状を把握できたのは、よかったと思っています。
ただ、あまり幼いうちに、そういうことがわかってしまうと、何もやる気がなくなってしまう可能性もあるなという気がします。ある程度、大人になってから、または、これ以上井の中の蛙だと本人にもよくないところまで来てから、厳しい世界を見るのでも、いいのかなと。


できないと思っていた勉強も、そこそこしか弾けないと思っていたピアノも、いま原稿を書くのにはとても役立っています。別に何かの1番でなくても何の問題もない。自分の好きなことができて、人の役にたてればそれで最高に幸せなんだというシンプルな事実がよくわかったので。


私の場合は、たまたま音楽ライターという場所に着地したという感じですが、ここまでたどり着くのにけっこういろいろありました。大学院に行ったり学校の先生をしたり。でもその紆余曲折がいま全部役立っているので、ま、いっかと思っていますが。


めぐみ先生が大学卒業後にピアノをいったんやめて法律事務所に入ったというのも、なんだか気持ちがわかるんです。そこからピアノの先生という仕事に戻ったからこそ、見つけたものの貴重さがものすごく重いことも。

ひとつの分野で突出して秀でていなくても、いろんなことができることによって、わかること、できること、というのもあるかなと思います。


そんなふうに、自分なりに、誰かの役にたてるポイントをみつけていくために、これからも書くことでお手伝いできたらいいなと思っています。

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