読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

セミナースケジュールはこちらです。 山本美芽オフィシャルサイト

ピアノを続けるって難しい。たとえば経済力の面にしても。

最近やっとピアノを練習する時間が少しとれるようになった私ですが、これはひとえに、結婚して夫がいて、稼いでくれている、そのおかげです。独身でフリーライターでしたら、ピアノが置ける賃貸マンションの家賃が払えるかどうか、あやしいです。なんとか払っても、ピアノの練習をする余裕なんて、とれない気がします。

就職しても、結婚・出産しても、ずっとずっと、ピアノをずっと続けたい。そんな大きな夢を持っている若い音大卒業生の女子のみなさんの声に触れると、そうだそうだ、と応援したくなります。

だからこそ、余計に、現実は厳しくリサーチして、自分の持っている能力をきびしく見極めて、現実的かつ将来性のある設計を描いて、若いうちに夢に近づくために効果的な手をひとつでも多く打ってほしい、と思います。

こうすればずっとピアノが続けられるという公式なんてものはありません。ただ、多喜靖美先生のところで知り合う大人の室内楽の生徒さんは、みんな既婚のピアノの先生で、出産して、子どもが幼稚園に入った以降の人ばかりなんです。

結婚なんかしないで、自分で自立して生きていきたいと思うのも自然なことだし、それもすごくいいと思うのです。しかしピアノを続けていくには、お金(ピアノの置き場所としての住宅費用)と時間(練習時間)が必要になるのです。

今の日本だと、女性がピアノを続けるには、結婚したほうが得策のような制度ではあるかな、と思うのも正直なところです。

男性だと、お勤めをしながらしっかり稼いで防音室を自宅につくって夜中に練習、というあたりがハードルが高いながらも現実的なラインでしょうか。電子ピアノで我慢するならば、防音室設置(200−300万ぐらい?)ほどの経済力はいりませんが。

アメリカ駐在では、ある大手企業の家賃補助は、多いところは25万出ているそうです。お給料は別で、家賃補助としての上乗せですよ。

私はその企業に日本でつとめている女子社員の友達、という人に聞いたのですが、30代になって、仕事もけっこう大変なのに、手取りの給料が20万を超えないんだそうです。かたやアメリカにいる既婚の男性社員には、家賃補助だけで25万…。これでは、若い女性は、自分の力で働こうと考えるのがアホらしくなってしまうでしょう。

そんな現実がいつまで続くか、保証もない今日この頃ですから、ピアノを続けるにはまず婚活だ、とまではいいたくありません。自分で稼げる能力、すごく大事です。ピアノの先生を目指すなら、高めのお月謝でも生徒さんが集まるだけの指導力を身につけるとか、教員採用試験に挑戦するとか、一般企業で社員として活躍できるとか、…こうした方向性の経験をしていく、そのための努力はしておいて絶対に損はないです。演奏家を目指す場合はちょっと違ってくるかもしれませんが、それはまた別の機会に。

こんなこと同年代にはわざわざ話しません。ただ、若い後輩のみなさんのためにあえて書くならば、本気で一生ピアノを続けるつもりならば、経済的基盤づくりという意味で、早めに結婚を考えるのも、ひとつの手ではあるのです。20代中盤と30代では、女性の見た目は変わってしまうのケースも多いですので、出産のタイムリミットも考えると、早めに探すのも重要かなと最近つくづく思います。

もちろん、ピアノを続けたい人が結婚を考えるのなら、ピアノに理解がある人を探すのが大前提ですし、生活のためというよりは、好きな人と一緒に暮らしたいから結婚するという流れが理想なんですけれどね。