音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

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与謝野晶子にひかれる

小学生向けのミニ伝記っぽい仕事をしていて、与謝野晶子について書くことになりました。「みだれ髪」と、学習漫画の「与謝野晶子」、それから渡辺淳一先生が晶子と夫の与謝野鉄幹について書いた小説「君も雛罌粟われも雛罌粟」、まだまだ資料はあるのですが、とりあえずここまで読んで、与謝野晶子の生涯、スケールが大きくて、すごく面白い人物です。

まず、妻子のいた与謝野鉄幹のところに押しかけ女房のように大阪から上京。明治時代に、老舗和菓子屋の娘でお嬢さんだったのに、すごいパワーですよ。

与謝野鉄幹は、とんでもないプレイボーイで、結婚していたのにいろんな女流歌人と交際していて、その事実だけ見るとひどいんですが、それによって女流歌人たちは競うように自分の思いを歌に詠んで、いい歌がたくさんできるためには、鉄幹のプレイボーイぶりが役立った面も大いにあった模様。

晶子は子どもを10人産んで、育てながら、歌を詠み原稿を書きものすごい量の仕事をしています。

しかも夫の鉄幹がスランプに陥ってしまったのを心配して、パリに遊学させます。明治時代にどれだけ膨大な金額だったかわかりませんが、その資金も原稿料の前借りや、屏風に百首短歌を書いたものをつくって売るなどして用意。

しかし夫がいなくなってさびしくなり、自分もパリへ追いかけて行ってしまう! 半年ぐらい留守にするという予定で、子どもはあちこちに預けたようです。ひえー。

さらに、関東大震災源氏物語の現代語訳の原稿1000枚が燃えてしまったのに、めげずに17年かけてやり直したとか。

…私は夜中に原稿を書いて眠いだの、ぼやいておりましたが、晶子の生涯を読んでいたら、いやはや、まだまだ頑張らないと…。

で、そういう生涯を頭に入れて、「みだれ髪」を読み始めると、なんだか短歌が少しずつピンとくるようになってきます。たった1行の歌のなかに、ドラマあり映像ありで、すごいなあ。

与謝野晶子―女性の自由を歌った情熱の歌人 (学習まんが人物館)

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みだれ髪 (新潮文庫)

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チョコレート語訳 みだれ髪

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