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音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

セミナースケジュールはこちらです。 山本美芽オフィシャルサイト

マネの「鉄道」。ワシントンナショナルギャラリー@国立新美術館

娘とふたりで、国立新美術館に行ってきました。ワシントンのナショナルギャラリーから、印象派がたくさん来ているのですね。結局アメリカにいるあいだにいけなかったワシントン。今日行って思いましたが、なぜかその昔、私がパリのオルセーで買った絵はがきで、うちにあるものが、今回たくさん展示されていました。

どういうことかというと、オルセーで「ルノワール絵はがき20枚セット」「マネの絵はがきセット」「モネの絵はがきセット」みたいなのを買うと、もれなくワシントンのナショナルギャラリーに入っているものが含まれていた、という。アメリカ人は、フランス人よりも早く印象派に注目して集め始めたからコレクションの質が高いんだ、ということを今日の展示で流れていたビデオでも聞きましたが、本当にそういう感じでした。

すごくよかったのが、マネの「鉄道」。

わーい電車だ、といって子どもたちはいつまでも電車を眺める。最初はいいんだけど、親は飽きてしまう。私自身そういう経験がありますが、まさにそんな図。いまだったら、公園でひたすら遊び続ける子どものそばで、携帯メールをやっているお母さんの図ってところでしょうか。

しかしこの女の子の白いドレス、まるで発表会。印象派の絵だと、そのへんの原っぱをドレスを着て歩いていることがよくあって、「昔は外に出るときにも、こんなピラピラしたドレスを着ていたんだ。ジーンズとかなかったものね。窮屈じゃなかったのかな。泥がついただろうに、ドレスの洗濯とかも大変だったんじゃ…」とか、あれこれ余計なお世話的なことを考えちゃったりして。

題名が「鉄道」なのに、蒸気機関車が書いてない。煙だけ。駅とか線路もよく見えない。そんなミステリアスな題名と絵の関係って、マネのほかの絵もわりとそういう傾向だったかも。面白い。

そして、お母さんの着ている紺色と、煙の白と、女の子の白いドレスに紺のリボン、この配色がすごくさわやかで素敵。そして鉄格子のストライプがすごく小粋。白と紺ってコンサバすぎて野暮ったいというイメージもあるんだけれど、こうしてマネの時代まで時代が違っても、このお母さんと子どものお洋服は、すごく洗練された印象。

ほかにルノワールのバレエダンサーの女の子の絵も、緑がかった背景のグラデーションがなんともいえなくて、眺めていて飽きませんでした。

面白かったのが、ラトゥールが描いた本物そっくりに光り輝く桃の絵「皿の上の3つの桃」を、一緒に行ったうちの娘は「すごい!! 本物みたい! おいしそう!」といって気に入り、ルノワールセザンヌが描いた桃の絵も展示されていたのですが、それは「つまんない」といって見向きもしなかったこと。私はどっちもいいなと思いましたが。確かに、このラトゥールの桃には、異様なまでの本物感と光があり、小さな絵でしたが、不思議と長く見ていたくなる絵でした。


そうそう、ゴッホも何枚かありました。白いバラの絵があって、これがまた、きれいとか華やかとかではなく、おどろおどろしい執念深い迫力に満ちた、なんともいえないお花の絵になっていて、やっぱりゴッホ!!

改めて思ったのが、展示されているものに、フランスの画家の作品がほんとうに多いな、ということ。もちろんフランスに才能が集まってきているわけだし、印象派はフランスで生まれたわけで、それは必然になるのですが、これだけ世の中に国がたくさんあるのに、やっぱり絵に関しては、フランスって突出している。

音楽のなかでも、ヨーロッパのいくつかの国は突出して重要ですけど、その突出ぶり以上に、フランスの絵っていうのは、すごいものがあるなーと実感しました。フランスに行って美術館めぐりというのは、やはり、効率が良いかも。

お昼は美術館からすぐ近くの東京ミッドタウンのなかでスパゲティを食べました。

ピッツェリア トラットリア ナプレ
http://www.tokyo-midtown.com/jp/shop-restaurants/restaurant-bar/SOP0000015/

お店のインテリアはイタリアから直輸入なんだそうで、どうりで、レストランの中の椅子が、ゴッホの絵に出てくる椅子にそっくりだったわけです。窓の外の緑がいちめんに目に飛び込んできて、とてもすがすがしかった。イタリア人の若いナイスガイな店員さんも何人かいたし、壁にかかっているのは昔のイタリアの風景と思われる油絵。このお店だけ行列していたのですけど、行列に参加して、正解でした。

デザートに頼んだチョコレートケーキが、甘さ控えめで、さすが日本…思わず感動(笑)。娘に、「今日、いちばん良かったのってチョコレートケーキだった?」とたずねると、「ううん、ケーキもおいしかったけど、美術館も面白かったよ。桃の絵がよかった。ちょっと冷房きつくて寒かったけど」とのこと。小学3年生でもまあまあ楽しめたようです。

ちなみに、この展覧会、小学生は無料!!9月はじめまでやっているので、夏休み中にお子さんとミッドタウン探検も兼ねて遠足っぽく出かける、というプランも、ありかと。

国立新美術館 ワシントン ナショナルギャラリー展
http://www.nact.jp/exhibition_special/2011/nga/index.html