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音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

セミナースケジュールはこちらです。 山本美芽オフィシャルサイト

ボストン美術館でモネを見る

クルーズの寄港地、4日目はボストンでした。

ボストンはどうしても行ってみたかった。でもニューヨークもボストンも両方だと予算がとても足りないので、両方に行けるクルーズということで今回選んだのがノルウェージャン・ドーンでした。

朝、目が覚めてすぐ「今どのへんかな」とバルコニーをのぞくと、空港の前を通過するところでした。頭の上を飛行機がぎゅいーんと…ちょっと怖い。飛行機が大好きな息子に、この景色を見せようと思って一生懸命起こしたのですが、ぜんぜん起きられず。

たくさんの倉庫が見えてきて、無事にボストンに着岸。
ここからクルーズを始める船もあるので、とても立派なターミナルです。
もちろんテンダーなしで、船から直接、港に下りました。

まずはタクシーに乗りました。ボストンは、建物がぜんぶレンガ造りなのですね。ちょうど朝の9時ごろ、平日ですから、お勤めの人たちが地下鉄からぞろぞろと出てきて出勤しています。ああ、なんだか東京みたい。

夫が見たかったというフェンウェイパークに行ってまわりをぐるっと1周、歩きました。ほんとうは試合が見られるといいのですが、ま、仕方ないですね。街のど真ん中にあって、そんなに巨大でもなくコンパクトな球場です。球場もレンガ造りだし、戦前からの名選手をたたえる垂れ幕がたくさんかかっていて、歴史を感じさせました。

そこから公園を横切りつつ15分ほど歩いて、ボストン美術館に行きました。

私が20代のはじめのころ、東京に「ボストン美術館展」という展覧会がやってきて、それを見に行きました。フランスだけでなく、ボストンに、モネのいい作品がたくさんあることをそのとき知り、ずっと行きたいと思い続けていたのです。ついに、ついに、来たぞー!!!!!!

中に入って、2回の印象派の部屋に直行します。

モネの睡蓮がありましたーーーー!!!! これは確か、昔、日本で見たのと同じ絵!!!!

落ち着いてあたりを見渡すと、「ルーアン大聖堂」の「朝」とか、着物を着て扇を持ったモネの奥さんを描いた「ラ・ジャポネーズ」、ルノワールの「ブージヴァルのダンス」、ゴッホの「郵便配達人」とか、まさにパリのオルセーと同じようなすごいレベルの作品がごっそり。まあよくこれだけフランスから持ってきたものです。誰が集めたのか、すごい執念だなあ。


しかしゴーギャンの「私たちはどこから来たのか、われわれは何者か、どこへ
行くのか」は1階に移動しているということで、この部屋にはありませんでした。1階で無事見られましたが。


そのあとは古代エジプトの石棺を見て、本物のヒエログリフが彫ってあるのに感激したり、スペイン絵画を見たり、そのうち日本や中国の仏像もたくさん見ました。エジプトの石棺がある部屋はカラッとして熱く、日本の仏像がある部屋は薄暗くて少し湿気があり、温度管理や湿度管理が徹底されているようです。素晴らしい。

そして1階で、日本の浮世絵の部屋にやってきました。実はここ数年になって突然浮世絵に興味が出てきたので、日本では真剣に見たことがぜんぜんなかったんです。なので、実は初めて真剣に見ました。

ボストン美術館の浮世絵の部屋は、膨大なコレクションがあるので定期的に入れ替えして展示しているそうで、この日は、刺青をテーマにした絵の展示でした。ホームページで1点ずつ解説付きで航海されています。

色の鮮やかなこと! しかもめちゃくちゃ細かい。色を重ねたら何回も刷ったでしょうに、神業的に完璧な仕上がり。発色の鮮やかさ。すっきりして印象的な画面。はー、浮世絵って、いいなあ、と、この年にしてようやく目覚めたという感じです。日本に帰ったら、ちゃんと見に行こうと思いました。保存状態もほとんど刷り上ったそのままのようなピッカピカの状態で素晴らしいです。

子どもたちが飽きてきたので、中庭に出てみると、そこにはベビーカーの大軍団が。ベビーカーだけでも20台、いや30台はあったでしょうか。お弁当を持ったお母さんと子どもたちで大混雑です。子どもたちは芝生を走り回り、お母さんたちはタッパーウエアの中から持参した果物をつまんでのんびり。うちの子どもたちも思う存分駆け回っていました。

展示室の中では、どこの子どもたちは静かでおりこうにしていましたけど、豪華な天井画のあるゴージャスな階段ではぎゃんぎゃんと子どもたちが泣きわめいていたし、中庭はこのありさま。どう見ても、地元のお母さんたちが公園がわりに通ってきている模様です。年間パスとか買っているんでしょうね。

フランスのルーブルやオルセー、フィレンツェのウフィッツィなどは、お子様はこんなにいなかった気がします。
ハイレベルな芸術をどどーんと集め、みごとに展示しておいて、子どもも来れるカジュアルさ。いかにもアメリカらしくて、素敵でした。

ルーブルに行ったときにとにかく広すぎて何キロも歩いた記憶があり、ボストン美術館もあんなに大きくて歩ききれなかったらどうしようと心配していたのですが、半日あれば十分見られました。もちろん1日あればもっといいですけれど。