音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

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奥日光の東武アストリアホテルへ

7月の3・4日に、1泊で両親と子どもたちと一緒に日光の温泉に行ってきました。中禅寺湖のあたりまでのいろは坂は霧で真っ白。絶景が見えるはずがとにかく真っ白。華厳の滝に着いたけれど真っ白で滝の音しか聴こえない! ところがエレベーター(有料です)に乗って滝の正面まで降りたら、霧が晴れて滝が見えました。梅雨で水量が増えていたそうで、雨が降ってないのに水しぶきがすごい勢いで滝から飛んできて、傘がないと濡れてしまいそうなほど。

その後、うちの両親がおすすめだという穴場スポット、イタリア大使館別邸に寄りました。駐車場から湖畔の森の中を15分ほど歩いていくのが気持ちよかった! イタリア大使の別荘だったというその建物、木をふんだんに使って、木枠の窓、建物の素材はまぎれもなく日本なのですが、間取りやデザインはヨーロッパ風です。広大なリビング・ダイニング。石造りの暖炉の前に並んだこぢんまりとしたソファ、湖をのぞむ縁側がずっと正面にとってあって、そこには客船のデッキチェアのごとく長椅子が並べてあって、のんびりと湖の色、空の色を眺められます。湖を望む側にはとにかく天井から床まで、一面にガラス窓。これでは冬には寒くて過ごせないだろうと思いますが、夏の避暑のための家なのだとしたら、そういう心配は無用ですね。

 別荘の前には小さな船着き場もあり、船に乗って別荘にやってくるとか、買い出しに行くこともあったようです。家がすっかりいたんでしまっていたのを、栃木県の所有になってからきれいに直して一般公開しているんだとか。和洋折衷を極めた繊細な美しい空間を堪能できるのです。縁側のソファにゆっくりと腰かけて、湖を見ながら麦茶(無料で飲めるのです)をいただいていたら、帰りたくなくなってしまいました。それにしてもその昔、イタリア大使は、涼しくて気持ちのいい場所をさっさと確保していたんですねえ。ちなみに入場料は無料で、寄付だけでOKなのです。

 泊まったのは光徳牧場のすぐ近くのアストリアホテル。ここの温泉は硫黄が入っていて、うっすらと緑がかった乳白色です。森に囲まれた露天風呂、足を踏み入れようとするとお湯がにごり湯なので、足をどこに着地していいのか迷いました。欲張って、着いた日に2回、翌朝に1回入ったら、なんだかすごく疲れて、特に翌朝はお風呂に10分ほど入っただけなのに、1時間以上汗が止まらなくて、体の中で血がかけめぐっているような…。皮膚もきれいになるし、なにか強烈、強力な温泉でした。

 2日目は低公害バスに乗って、戦場ヶ原を越して森の中をどんどん進んでいき、千手が浜まで行って、湖畔を散歩してきました。ひんやりとした森の空気が、とにかくおいしい! 華厳の滝のほうが中禅寺湖の入口だとすると、中禅寺湖のいちばん奥のほうが千手が浜になります。車で来ると、かなり大まわりで時間がかかりましたが、イタリア大使館からでも、船だったら結構近いのかなあ。
 
 帰りはお土産を。日光の名産は、湯葉と水ようかんなのです。ゆばとようかんのお店が古い街道沿いにずっと並んでいるのはちょっと面白いですね。しかもお店は飾り気もなくて昔ながらの地味な店構え、そこに絶えずお客さんが5−6人はいるといった様子でけっこう賑わっている。さすが歴史のある街、日光ならでは。

 ところで、旅行から帰ってから娘に「何が一番面白かった?」と聞いたら、華厳の滝でも千手が浜でも露天風呂でもなく、「夜、まくら投げをしたこと!!」と言っていました。ま、そんなもんですよね。