音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

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西海岸1号線をゆく〜サンタモニカ、サンタバーバラ、モロベイ、カーメル

娘の春休みを利用して、4泊5日のドライブ旅行にでかけてきました。

ロサンゼルスといっても広いんですよね。今回は、北のほうのハリウッド、ビバリーヒルズを駆け足で観光し、海沿いのサンタモニカに泊まりました。

初日はサン・ホアキン・バレーをひたすら南下してサンタクラリタという山のふもとの町の園バシースイートホテルに泊まりました。このホテルでは朝ごはんにオムレツを目の前で焼いてもらえるのが嬉しくて、すごく広くて清潔な部屋のわりにはお値段も手ごろなので、サンノゼやマイアミ、モントレーなどあちこちで泊まっています。
 翌日はグリフィス天文台へ。ロスを一望できる素晴らしいロケーションに魅了されました。地球の自転がよくわかる、地球と太陽がそれぞれぐるぐる回転している模型があったり、日食の模型があったりして、最近娘に「日食ってなに?」と質問されていた私は「ちょっとこれよ! これを見なさいよ!!」と娘に激を飛ばしまくり。さらには元素の周期表の展示では、それぞれの元素が透明な箱に入って周期表の形で壁におさまっているんです。金は? プラチナは? おお〜ちゃんと入ってる!!! ウランは? ラドンは? ある〜!!! 大丈夫なの放射性物質なのに!! あれ、カリフォルニウムなんて元素があったのね! などなど、これまたエキサイト。これらは全部無料の展示スペースにありました。無料エリアも充実しています。そういうところはさすがアメリカ、というか、さすがロサンゼルス。

次に目指したハリウッドはチャイニーズシアターのあたりを散策。シュワルツェネッガーの手形と足型に、うわ大きい〜と歓声をあげつつ、他の映画スターの名前が古すぎでよくわからなかったりして。シアターのまわりには、エルモにダースベーダーに、マリリン・モンローバットマンなど、いろんなコスプレをした人がたくさんいて、一緒に写真をとろうよ〜と寄って来ました。

怪傑ゾロの人が寄ってきて一緒に写真を撮ったけれどお金を要求されなくて、これって払わなくていいのかな? と思って油断して、エルモと一緒に写真を撮ったら、お金を払えといってあとをついてきました。結局1ドル渡したのですけれど、うーん、あれは、結局、勝手にみんなコスプレしてきてお金を稼いでいるんでしょうか。だとしたら、ゾロの人に悪かったな。

その後、ビバリーヒルズのロデオドライブに行き、階段になっている「トゥーロデオ」のあたりを散策しました。ディオールにフェンディ、ヴィトンにカルティエ、そしてティファニー・・・銀座やパリで見たような一流ブランドのお店がずら〜り。娘は、ショーウィンドーの首飾りの宝石を見て「これ、本物!?」と大興奮でした。買い物をする暇はなく、散策だけしていたところ、道端にランボルギーニだかフェラーリだかわからないのですが、通常とはまったく違う形のものすごいスポーツカーが。2人乗りで、ホットドッグを2つ横に並べたみたいな不思議な形をしていました。40人ぐらいの人だかりがして、みんな思い思いに記念写真を撮っていました。もちろん私たちも! 

そこからUCLAのキャンパスを横目に、海沿いのサンタモニカに向かいました。この日はダブルツリーホテルに宿泊。サンタモニカのビーチは、海沿いから道路までものすごく広くて、ビートバレーのコートや公園に駐車場などいろいろあって、パフォーマンスをしている人もいれば散歩している人もいて、みんなが子どもに返って楽しめる素敵な場所でした。夕方は寒かったですが、翌日の10時ぐらいは日差しがきつくてかなり暑かったです。夏は混みそうだなー。

翌日はサンタモニカの海岸を散策してから、日本食スーパーのミツワでラーメンを食べて、日本人パティシエがいるらしい「アマンディーヌ」でケーキを買ってから一路サンターバーバラを目指しました。「まじまじのおいしいロサンゼルス」というブログで見つけたこのケーキ屋さん、確かに日本の繊細な甘すぎないケーキの味! あ〜懐かしい〜こういう味、と涙が出そうになりました。

サンタバーバラでは、スターンズワーフという桟橋の目の前にあるホテル「ハーバービュー・イン」に泊まりました。海沿いのボードウォークで子どもたちはスクーターに乗って大はしゃぎ。そこから山のほうに向かって伸びていく目抜き通りのステート通りは、これまたオレンジの屋根にパームツリーの街路樹というスペイン風の上品な街並みが素晴らしかったです。「EAST」というおすし屋さんに行きました。ウニがなかったのが残念でしたが味はよかったです。

翌日はサンターバーバラのカウンティコートハウスへ。ここはいまでも裁判所として使われているようですが、歴史的な建物で、中庭に面した真っ白い壁の薄暗い回廊を歩いていると、タイムスリップしたみたいな気がしました。

サンターバーバラから、ふたたび海岸を北上、途中でソルバングというデンマーク村に寄りました。みごとなまでにデンマーク風の建物や風車を配したかわいらしい街並み。ここでは名物のデニッシュペストリーを堪能しました。

さらに海岸を北上し、海に突き出た巨岩「モロロック」で有名なモロベイへ。この日はここで泊まりました。ホテルなんて10軒ぐらい? というほんとになんにもない小さな港町なのに、日本人がやっている「原田」というおすし屋さんがあったんです。中に入ってみると内装も完璧に日本風で、BGMはお琴という懲りよう。寄せ鍋を頼んでみたら巨大なカキが入っていました。お味噌汁のだしも絶品、お刺身もすごく新鮮で、なんだか日本に帰ったかのようでした。

 宿は海沿いの小さなホテル「エンバーカデロ・イン」。翌朝起きて、簡単な朝食をとれるお部屋に行くと、まわりはほとんどドイツ人ばっかりで、ドイツ語が飛び交っていました。

 そこにいたドイツ人はみんなやせていて、声があまり大きくないんですね。50がらみの男性でも、ほとんどおなかが出ていない人ばかりなのも驚き。それに、着ているものが上質っぽいんだけど、アメリカ人みたいにファッショナブルというよりは、実用っぽい服の人ばかり。もうぜんぜん雰囲気がアメリカ人と違うので、すぐにわかります。しかし、フロリダを旅行したときにドイツ人がいっぱいいたのもおどろきましたが、こんなセントラルコーストの、ロサンゼルスとサンフランシスコのちょうどど真ん中の田舎町で、大勢ドイツ人がいたのにはびっくりでした。

出発前に、モロロックのまわりを散策。これって岩っていうか山?? 山みたいな巨大な岩が、海沿いにそびえていました。そのまわりをおびただしいかもめが飛んでいて、鳥の楽園といった様子。外海は白い波しぶきが荒々しくはじけていましたが、モロベイの湾のなかは静かなもので、カヤックを楽しんでいる人が結構いました。

そしてモロベイをあとに、一路サクラメントを目指して出発。ハイウェイ1号線は、しばらくは緑の野原をつっきる気持ちの良いドライブで、象あざらしの野生生息地があり、何百頭ものあざらしが海からあがってきて砂浜に寝そべる様子を見ることができました。
 
サン・ルイスオビスポ郡を抜けて、モントレー郡に入ったあたりから、海のそばの切り立った崖をうねうねと走ります。途中は街といえるものはなく、休憩所みたいなレストランがあるぐらい。もちろん海が見下ろせて絶景なんですが、いや〜怖かったです。

いったいどこまで、この状態が続くんだろうと思っていたら、結局、カーメルに着くまで、街らしい街はまったくなし。結局、山が険しくて、地形的に街なんて作れないんでしょうね。

カーメルについて、リトル・ナポリというレストランで遅めのお昼を食べました。息子が食べ終わって飽きてしまったので、外に出てレストランのまわりをうろうろしてみましたが、カーメルはこびとの家? みたいな、不思議な可愛い建築がいっぱいなんですね。そこにギャラリーとかちまちました飾りのお店とかが入っていて、そぞろ歩きには最高。でも、「AVAILABLE」って看板のある空き店舗も結構ありました。不景気の波はここにも・・・。それでも、陽光あふれる春のカーメル、道端の花壇ひとつとっても写真に撮らずにはいられなようなセンスのよさ。短い滞在でしたが、何度来てもカーメルはいい!! 

さて、レストランで会計を終えた夫と娘が中から出てきたら、すぐにサンノゼを目指して出発です。カーメルビーチによりたかったけれど、今回は我慢。ギルロイのアウトレットモールを「ここで前にルクルーゼのお鍋を買ったよね」と横目に見つつ、サンノゼに1時間ほどで到着。ミツワに寄って日本食材を、紀伊国屋で日本の雑誌を仕入れて、我が家を目指してまた出発。夜の8時ごろに家に着きました。

ロサンゼルスは暑くてあまり木も生えていなくて、それがモロベイのあたりまできたら木が増えてきて雨も降ったりして、カリフォルニアの気候の変化を実感できました。あざらし達が寝ている場所もあれば、ロデオドライブみたいな大都会もあり、サンタバーバラみたいな落ち着いた高級リゾートもある。カリフォルニアというのは、実に多彩な顔を持っている州なんですね。

それにしてもサンタモニカの海岸で感じた日差しの強さと、海からの風の冷たさは印象的でした。都会だから排気ガスくさくてもおかしくないのに、すごく澄んださわやかな空気。我が家から近いサンフランシスコも確かにさわやかなのだけれど、サンフランシスコは夏でも涼しいし、霧はしょっしゅうでているし、やはりまったく違いのだと感じたドライブ旅行でした。

サクラメントからロサンゼルスを往復した今回のドライブ旅行、ものすごい走行キロ数だと思うんですが、アメリカは高速道路が無料なので、ホテル代と食事代、ガソリン代だけで行ってこられるんです。おやつと飲み水とビール、そして子どもたちのスクーターにヘルメットをトランクに積んで・・・。やっぱり無料だと、6時間ぐらいの場所までは、車で行ってみようかな? って、計画してみたくなるんですよね。

でも、ロサンゼルスでは、気がついただけでもオレゴンに、ウィスコンシンコロラドのナンバーの車を見かけました。オレゴンからだって、16〜20時間ぐらいかかると思うんですが・・・ウィスコンシンなんていったら、4日ぐらい? うーむ、我が家の移動距離なんて、アメリカではたいしたことないのかもしれません。