音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

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子どもがピアノを練習したがらない原因

ベネッセの教育情報サイトで、おけいこ特集があり、とにかくみんな家で練習がさせられない!!! といって悩み、そして練習させられなくてピアノをやめてしまう、という話が沢山載っていました。

私はこの問題に関しては長年調べてきました。もしニーズがあるんだったらそのテーマで本を書こうかなぁと最近思っています。

子どもが家で練習できない原因は主に2つあります。

1つめは、音楽能力上の問題です。
楽譜が読めないから、ひとりで練習しろといわれても、できない。一応読める子でも、なんでも初見でぱっと弾けるレベルになっていないから、楽譜を解読するのがおっくうなのです。

2つめは、ピアノが弾けなくても生きていけることを、子どもがわかっているから。
たとえばトイレトレーニングや洋服の着脱は、面白くないから、できないと学校にも行けません。だから怒られてもしょうがないから頑張らなきゃと思えます。ところがピアノは弾けなくても、日常生活で特に困ることはありません。いくらお母さんが「やりなさい」と怒っても、「ピアノができなくても人生に支障はない」ことを子どもはわかっています。だから、「練習しなさい」といくら親が怒っても、限界があるのです。

以上ふたつが主要な原因です。

さて、私自身、自分の娘にピアノを練習させるようになりました。

「練習しないで上達する」という本のお手伝いをしたくらいなので、練習させないという選択肢ももちろん考えました。ですが、私が自分で教える以上、週に1度はレッスンをしなければならない。しかし4歳の子の集中力なんていうのは、テレビならともかく、ピアノでは5分ぐらいだと思っていたほうが良い。それなら、5分×7日=35分で週に30分練習すればいいか、ということで、毎日5分親子でピアノに向かうのを目標にしたわけです。まあ時々は休んじゃいますけど。

こんなところに偉そうにあれこれ書いて、そのうち娘が「やだ」と言い張って練習しなくなったらどうしよう(爆)という不安はあるのですが、とりあえず今はうまくいっております。

娘にピアノを練習させるために考えたのは、

1 楽譜をらくらく読める力をつける。
2 「ピアノやりなさい」とは絶対にいわず、「あっお母さんピアノ練習するね」といって自分がまず弾きはじめる。

の2点です。

(1)楽譜をらくらく読める力をつける 
 呉暁先生のテキストを使って、とにかく本人にドレミを読ませています。ソルフェージュのふよみのところも毎日やります、というかソルフェージュしかやらない日もあるくらい。3歳半から少しずつ始めて、今4歳ちょっと過ぎですが、ドレミファソまでは読めるようになりました。うちの娘も同年齢のお友達も、だいたいひらがなは読める年齢です。ひらがなが読めれば、ドレミファソぐらいは読めてもおかしくないですね。いまはとにかく楽譜が余裕で読めることを目標にしているので、手の形やら曲の途中で止まることなどは目をつぶっています。

(2)ピアノを遊びにする

 親がピアノを面白がっていないのに、子どもにはやらせようとするというのは、身勝手であると私は思っています。親が率先してピアノで遊んでいる姿を見せるべきでしょう。
 私はとにかく娘よりも自分がピアノを弾きたいので、よく英雄ポロネーズを練習してます。で、娘にもやらせたいなと思うときは、「お母さんが先に練習してるからね」と声をかけます。すると娘は「やだ、わたしの番だもん」といってピアノのところに駆け寄ってくるのです。
 最近は、15分から20分ぐらいは練習できれるようになりました。一応ピアノの近くに私は座っていて、「できたできた〜(拍手)」とほめる、または「あっそれはミじゃなくてファでしょ」など間違いを修正するようにしています。で、本人が飽きてきたら「あっもういいよ終わりにして。じゃ、今度はお母さんの番ね」といって私がピアノを奪い取ります。
 英雄ポロネーズなんて書いちゃって「そんなの弾けないわよ」と思われた方もいるかもしれませんが、別に「ねこふんじゃった」でも効果としては一緒です。

 最近はぬいぐるみと一緒に練習すると異様に盛り上がることがわかってきました。長くなるのでそれはまた次回に。