音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

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グルダのリズム感

Beethoven: Piano Sonatas (Complete) [Box Set]
Beethoven: Piano Sonatas (Complete) [Box Set]
Ludwig van Beethoven, Friedrich Gulda


アメリカに来てから、クラシックのCD、とくに過去の名盤が1000円以下で買えるので、せっせと買い込んでは聴いています。

あらゆる意味で一番コストパフォーマンスが良かったのが、グルダのこの全集です。

ベートーヴェンピアノソナタは、まずBGMで毎日流すとしても、すがすがしくて、ほどよくパンチがあり、ときに叙情的で、音楽として上質です。

しかもそうやってなんとなく覚えておくと、テレビやコンサートで結構耳にする曲が多くて「あっ知ってる〜」と楽しめる。さらに、ピアノを習っている場合は、いつか自分が弾くことになった場合に、曲を知っているとすごくラクができます。もういいことづくめです。

ベートーヴェンといえばバックハウス、という意見もあると思いますが、私はフリードリヒ・グルダが好きです。彼のリズム感や音色に対して、生理的に、という形容を使いたいほどに深い共感を覚えます。

実際問題として、スムースジャズやコンテンポラリージャズと同じテンションで軽快に聴けてしまいます。不思議なほどに。

グルダはきっちり伝統を受け継いでいる人だという評価もあるのでしょうが、なぜか私は現代的だと思えてなりません。

ということで、ちまちまと抜粋ものを買うのではなく、いきなりこの全集を買ってずーっと聴きこんでおります。これは、音楽センスを伸ばすための方法として実によかった、と確信が深まっているのでした