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音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

セミナースケジュールはこちらです。 山本美芽オフィシャルサイト

いいにくいことを言いなれる

アメリカに来るまでは、いわゆる音楽マスコミ業界の人とばかりおつきあいしていました。最近、普通のママさんたちに混じって、普通のママさんづきあいをする時間が増えてみて、「あー、私っていいにくいことを言うのに慣れているんだなあ」と感じます。もちろんみなさんおっしゃるべきことはきちっとおっしゃいますが、私の言い方よりも、トーンがやわらかいのです。

そもそも何だって断るのは言いにくいですし、あなたの意見とは違うわね、と表明するのも言いづらい。それからお金の話も、やっぱりしづらい。

10年前には、私自身、いいにくいことがぜんぜん言えませんでした。

でも、だめなものははっきりだめと伝えないと、あとで自分が困るのであって、そうなっても誰にも助けてもらえないし、自分の評価が落ちるだけだと骨身にしみることが何度もあり。

ギャラの交渉もしかり。物書きですから、相場はありますが決まっているわけではありません。ライターさんのなかには、仕事が終わるまで原稿料をきかない人もいて、私も最初はそうでした。しかしそれでは自分があとで困るので、原稿を依頼していただいたさいに、「あっ、わかりました。ちなみにご予算はどのくらいですか?」といって明るく聞いてしまうようにしています。これはジャーナリストの日垣隆さんにうかがったやりかたなんですが。

言いづらいことが言えるようになると快適です。誰かに言いづらいことがいえないと、どうも不満が残って「あの人やだわ」とか思ってしまいがちなのだけれど、きっちりいえたあとは、そういうわだかまりが自分の中に残らない。

もちろん言いにくいことを言われて面白くない人もいるでしょうから、嫌われるのは覚悟のうえです。最初はいやでした。でも、最近はなるべくなら人に好かれたいのはやまやまだけど、言うべきことを言って嫌われるのなら仕方ないとあきらめています。

いいにくいことを言うときにはコツがあります。明るく、考え込まず、普通の口調でさりげな〜く言うのです。相手が一瞬「えっ」という反応になったら「ほんとにすみません〜」「申し訳ないです〜」と率直にその場でフォローを入れます。原稿を依頼していただいたときにお断りするときには、たいていそんな感じです。

結局、どんな立場にある人でも、年齢が上の人、場数をつんでいる人ほどいいにくいことでもさらっとうまく言っているなと思います。迫力というのはそういうことかもしれないし、いっぽうで若くて初々しい感じは薄れるんだろうなあ。