イッツ・オン・トゥナイト
ブライアン・カルバートソン, レディシ, ウィル・ダウニング, マーク・ネルソン
毎月恒例のスムースジャズラジオ局KSSJのイベントに行ってきました。今月はキーボーディスト(ピアニスト?)の、ブライアン・カルバートソンです。
6月、7月にここで行われたイベントではオールスター的な主役が複数いるステージ構成でしたが、この日は、ブライアンが主役!!
ステージ真ん中にキーボード1台。重ねていなくて1台だけで、そこに立って踊りながらノリノリで黒いジャケットにジーンズ姿の金髪青年ブライアンが弾くんです。もう30代になっていますが、ナイーブな少年っぽい雰囲気はまるでレオナルド・ディカプリオ。これはもう、ヴォーカリスト的な存在感といっていいでしょう。
日本のフュージョン界でたとえるばらば、スクェアに入ったばかりの本田雅人さんがこんなふうに華やかだったなぁ。ただし、本田さんはノリノリに動きつつも音数が膨大だったのに対し、ブライアンは「えっ」というぐらい最低限の音しか弾きません。バックにちゃんとキーボーディストがもうひとりいるので、ほんとうにメロディだけ弾けばいいようになっています。
ギターにサックスにトランペットと、上ものの多い編成。ピアノのソロといっても、両手を使って太鼓のようにダダダダと連打するか、スケール+トリルといった程度で、いわゆるジャズっぽいアドリブだの、「ほ〜らうまいでしょう〜」系の複雑&アクロバティック系プレイはなし。
そのかわり、弾くときは体を左右に揺らしたりのけぞったり、フレーズを弾きおわったらそのままよろけたり、ステージ上をあっちへこっちへ走ったり、いやはや盛り上げに徹しています。MCもほとんどブライアンが担当し、かなり面白い!!
いちおうグランドピアノもセッティングしてあって途中で弾いていましたが、うーん、野外だし、「やっぱりグランドピアノは違うわ」と感激するほどではなかったかな(爆)。
これだけプレイをおさえてメロディを弾くことに専念、盛り上げに徹しているキーボーディストは初めて見ました。彼のメロディがとても素晴らしいし、それを気持ちよく聞かせてくれれば、あとは盛り上がれば充分、という気がします。
きっと、おそらく難しいこともやれば上手なのでしょうけれど、不必要だからといってやっていないのでしょう。恐れ入りました。
スムースジャズの場合、CDはラジオから流れるBGMになるから、あまりうるさくなってはいけないという制約があります。そのぶんライブでは、ソロまわしにインタープレイに、とにかく盛り上がるのです。まるで日ごろのうっぷんを晴らすかのように。だからスムースジャズのライブは面白い!