3月に日本を出るときに、手荷物のダンボールに入れて持ってきたようかんが1本ありました。
引き出しに入れて大事にしまっておいたら、なんと賞味期限は7月いっぱい。だめじゃん!! と、急遽お客様もいないのに、娘とふたりで午後にお茶を入れていただくことにしました。
ぱくっと一口、食べたら、あまりのおいしさに絶句…。
なんてすがすがしい、優しい、さわやかな甘さ。
アメリカに来てから、チーズケーキやらティラミスやら、甘すぎと文句をいいつつも、それなりにおいしいじゃん、と思って食べていました。
でも、ようかんを食べたら、やっぱり日本の和菓子は全然違うのです。
こんな味、日本を出てからずっと食べたことがなかった。
おいしいね、おいしいね、と娘と話しながら一口一口かみしめていたら、なぜか涙が出てきました。やっぱり日本の食べ物がおいしい…。今ここにあるようかんは、これが1本だけしかないのです。食べてしまったらもう終わり。次にいつ食べられるのかはわかりません。
「ねえ、なんだかようかん食べてたら日本に帰りたくなっちゃったよ」と娘に言うと、「うん、帰りたいねえ」と娘。
でもまだ帰るわけにはいきません。やっと英語が少し聞きとれるようになったばかりなんですから。
半分残しておいたようかんを、数日後に食べたら、そのときは、別になんともなくて普通においしいわ、っていうだけでした。そんなもんでしょうね。