音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

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7日間連続のフルコースディナー

クルーズといえば、食事が大きな楽しみのひとつ。
私も、もちろんそうだったひとりです。

なにより、アメリカを旅行するのにあたって、毎回食事のたびにお店を探し、メニューを解読し、予算をあれこれ考えるなんて大仕事。船に乗っていれば、3食確実においしいものが食べられて、しかも食べ放題ですから。(アルコールは有料です)日ごろ休みなくご飯を作り続けている私としては、それだけでも天国というものです。

セレブリティクルーズは、もともと食事の評価がとても高いのです。乗船の日にお昼ごろ船に乗ると、さっそくやっていました、ビュッフェが!!
・・・・超豪華です!!!! いわゆる東京のホテルでやっているランチビュッフェの類と同じですね。ローストビーフを目の前で切ってくれるとか、ケーキが10種類以上並んでいるとか。なかでも感動したのはパンでした。それこそ東京のフレンチの有名店で出てくるパンと同レベルか、それ以上! クロワッサンはパリで食べたのより、小ぶりでさくっとしているのにバリバリしすぎず、おいしかった!! とにかく日本人の私に合うパンでした。これを毎日食べられるのかと思ったら、うれしくて頭がくらくらしました。

もちろんおやつの時間にはクッキーやケーキが置いてあって、コーヒーやジュースも飲み放題です。海を見ながら、何度もコーヒーを飲みました。
プールサイドには、スパゲティやピザ、ハンバーガーをを作ってもらえるスタンドもあります。ここのスパゲティは、玉ねぎ・にんにく・バジル・マッシュルーム・オリーブ・ピーマンみじん切り等々のトッピングを選んでオリーブ油で軽くソテーしてもらい、そこにスパゲティまたはマカロニを絡めてもらい、そこにトマト・ホワイトソース・ミートソース等々のソースをかけてもらうというシステム。これがまた実においしくて、毎日ランチに通いました。

なんかわれながら異様に文章に気合が入ってますね〜。食べもののことってこのブログではあまり書いてこなかったんですけど、日ごろ3食作っていて食べ物のことを考えている時間が結構長いせいか、書き始めると止まらない〜。要するに食い意地が張っているだけなんですが。もう少しおつきあいください(笑)

船には2000人の乗客が乗っていて、1000人ずつ2回まわしで、5・6階にあるメイン・レストランのディナーが割り当てられています。私たちは申し込んだのが遅かったので8時半からの後半になりました。
初日にレストランに行ってみると、赤を貴重にしたとてもゴージャスな内装。6階から5階にかけて階段がどどーんとあって、そこから降りていくと、ちょうど正面に海が見える窓が2階分吹き抜けでありました。ドレスコードがフォーマルの日は、この階段をゆっくり登ったり降りたりするドレスアップした人々を、座っている人が見物するわけです。

私たちは8人がけの丸いテーブル、私たち家族はアメリカ人の5人家族と相席になりました。6歳のお嬢さんとママ、母方のおばあちゃん、父方の祖父母というメンバーです。パパはお仕事で来れなかったんだとか。このファミリーとは、英語のやりとりに苦労しながらもお互い娘(孫)がいるという共通点があって、大いに意気投合してしまい、大変盛り上がりました。毎晩のように今日はうちが、じゃあ今日は私が、というようにワインを交代でシェアして乾杯、今日は何してた? と、話すのです。固定席のいいところが味わえました。

娘の様子を気にしつつメニューを見ると、単純なアントレ、スープ、サラダ、メイン、デザートだけになってない! ものすごい活字量に頭がくらくらしてしまい、お隣に座ったアメリカ人ママさんに教えてもらいました。すると、左のページの上半分がシェフのおすすめの組み合わせ、下半分が軽めのラインナップ、左ページがその他選べるもの一覧になっていました。
フレンチでもイタリアンでもない、インターナショナル料理といったところなのでしょうが、レベルはさすがでした。

今回のクルーズのディナーでは、前菜のスモークサーモンやテリーヌ、かぼちゃや牛テールスープ、それからメインではうずらとかロブスターとか、自分では作らない料理またはメニュー自体は同じだけれど自分の作るものとは比較にならない素晴らしいクオリティのものをたくさん食べました。頼んでもいないのに、途中で箸休め的にワインのシャーベットが出てきたときには感激でした。

しかし贅沢なもので、3日目ぐらいになると、食べすぎてだんだんお腹が苦しくなってきました。ディナーも終盤になってデザートの頃には、もう食べられないのに、クリームブリュレだのチョコレートケーキだのアイスクリームだのと次々に出てくるのです。

何かパスできるものはないか必死に考え、1日目2日目で、サラダが葉っぱ&ドレッシング、というわりと普通なものだったことをふまえ、サラダはパスすることに。それからメインのお肉や魚は「ハーフポーションプリーズ」といって、小さめのものを持ってきてもらうことにしました。最初の一品が出てくるまで時間が結構あって、その間にまたパンがおいしいからつい食べてしまうのですが、我慢我慢。

毎晩フルコースで1週間過ごしたのは初めて経験でした。さすがに胃がきついです。懐石料理だったら別でしょうけれども、うーむ。根性で全日ちゃんと食べに行きましたけれど、帰って来てからは、「当分のあいだ粗食でいいわ」と真剣に思いました。
クルーズに行く前は、ご飯を作るのが面倒で仕方なかったのですけれど、今回の旅行のあとは、さすがに、「自分で好きなように日本食作って食べたい」という気持ちになっていました。