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音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

セミナースケジュールはこちらです。 山本美芽オフィシャルサイト

極限状況で速く原稿を仕上げるために

ライター日誌

副業ながら大変優れたお仕事をなさっているライターさんと、最近メールのやりとりがありました。

その方の抱えていらっしゃる悩みが、かつて私が非常に困っていたことと同じだったので、思わず「それはですね」とあれこれ思い出してしまいました。

他の方にも役立つかもしれないので、記事にしてみようと思います。

(1)睡眠、食事、運動を重視して集中力を高める

 月末などに、1週間のあいだにインタビューが何人も、レビューも数本、その他細かい記事が数本、といった具合に締め切りがいくつもたてこんでくることがあります。とにかく、1つ1つの記事に集中して、順番に仕上げなければ! と思うのですが、全然集中できなくて、進まないことがそれはそれは何度もありました。

 とくに私は体力がなくて、すぐに疲れてぼ〜っとしてしまうので、「ああ、もっと体力があれば」と思っていました。

 しかし、机に長時間かじりついて運動をせず、手抜きメニューを食べ、睡眠をしっかりとらなければ、どんどん体力は落ちていき、ますます頭の働きは悪くなります。負のスパイラルです。

 私の場合、バレエに通い始めて運動するようになり、昼は外に定食などしっかりしたご飯を食べにいって、その分夕飯をきちっと作り、夜はできる限り残業しないで昼間に全部原稿を終わらせ、夜は12時過ぎに寝る、という方針をたてて実行しはじめてから、明らかに体調がよくなり、集中力が増して、原稿が速く仕上がるようになりました。

 だから、集中力の母体となるのは睡眠、運動、食事だと思います。
 睡眠、運動、食事を重視すると、そちらに時間はとられますが、長い目で見ると、トータルな作業効率はあがります。

(2)インプットを充実させてからアウトプットする

 何を書こうかまとまらないのにパソコンに向かってネットサーフィンしていても、一向に原稿は書けないことが多いです。

 娘が生まれてから純粋な仕事時間を減らさざるをえなかったというのもあって、いまは原則として、頭の中でだいたいの下書きができるまではパソコンで書きはじめないようにしています。

 車の運転や料理、家事などをしたり、お風呂に入ったりしながら、頭の片隅で、つねに「あれをどうやってまとめようかなあ」と考えています。まとまらないときは、「文章が下手」なのではなく、勉強不足、調べ不足であることがほとんどなので、勉強したり調べたりと、情報を増やすようにします。考えが浮かぶまで、インプットを続けます。

 そして、書きはじめたら、できるだけ早く、短いものだったら1〜2時間、長いものはその日のうちにだいたい仕上げるというのを目標にしています。とはいえドツボにはまると目標を守れないこともしょっちゅうですが、この目安があるのとないのでは、スピードがまったく違います。もちろんそのまま編集者に提出ということはなくて、後日また見直しをして、あちこち直してから提出します。


(3)気分転換を積極的にする

 家の中と取材先の往復だけでは…(もちろん取材先に、ものすご〜くバラエティがあるのならば話は別ですけど)、飽きがきます。

 極力、日ごろ会わない人と連絡をとって会ったり、行ったことのないレストランに行ったり、見知らぬ場所へ行ったりするよう心がけていました。バレエのレッスンに行ったり、接骨院に通ったりするのもその一環です。「忙しいからそんなヒマはない!」と以前は思っていましたが、忙しいからこそ気分転換しないと、頭がオーバーヒートして調子が悪くなります。

(4)時には仕事を断る

 駆け出しの頃から数えてずいぶん長い間、いただいた仕事をお断りすることはありませんでしたが、出産後は物理的理由により、涙をのんでお断りせざるをえないケースが出てきたのです。結果として、それがあって集中力向上に対する取り組みができたので、プラスになったと思います。いま冷静にふりかえると、以前は自分の限界以上に仕事を引き受けていたことがありました。これはあくまで私の場合であり考え方ですが、慢性的なオーバーワークによって視野が狭くなる危険性があると思います。

(5)頭の調子を常に意識する

 頭の調子、という言葉は「うたとピアノの絵本」の著者、呉暁先生にうかがったものです。頭の調子が悪いときには、何をいくらやってもだめですので、違うことをするようにします。そのためには、今、頭の調子が良いのか悪いのか、いつも気をつけていなければなりません。

「うーん、書けないな〜」と思って10分ぐらい改善しなければ、違うことをはじめるようにしています。それこそ家事とか、お茶とか、雑誌を読むとか、違うCDをかけるとか。家で昼間から書いている場合、重症なときは散歩や買い物に出たり、寝たりします。ときどきは「うう…もうダメ…立てない…」とばかりに、だらだらネットサーフィンしてしまうこともあるんですけれども。

 あれこれ書きましたが、もしかしたら、こんなスタイルでやっているライターは、珍しいのかもしれないですね。とくに、ふだんはなるべく夜中に原稿を書かないようにしている、というタイプは少数派ではないかと思います。それから売れっ子になればなるほど、私から見れば過酷な原稿量をこなしてらして、断っても断っても気がついたらオーバーワークになっているのが現状では、と想像します。でも、インプットの充実、頭の調子の自覚、気分転換については、忙しいライターさんほど徹底されているんじゃないかな、と思います。

 ここに書いたことは、すべて私の「目標」「心がけ」といったところです。ある程度達成できた日もあれば、ダメダメな日もあります。毎日100パーセントやりとげるのは無理として、長い目で見て、20パーセントから50パーセント、70パーセントと、できた度合いがあがっていれば、多分よいほうへ向かっているのでは、と思います。