音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

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ヨセミテ国立公園に日帰り

Yosemite an American Treasure (National Geographic Park Profiles)
Yosemite an American Treasure (National Geographic Park Profiles)
Kenneth Brower

 アメリカの国立公園のなかでも特に人気のあることで知られるヨセミテ国立公園。ほんとうは最低でも1泊して行くのがベストといわれていますが、宿の確保が困難なので、勢いで日帰りで行ってきちゃいました。

 朝の8時半に出て、高速道路を突っ走ります。だんだん道路のそばからお店が少なくなり、家がまばらになり、牛ばかりになってきて、いつしか牛もいなくなって、枯れ草の山にぽつぽつと木が生えているところをひた走りました。だんだんまわりが森になって、お昼ごろにやっとヨセミテのゲートに到着。ここで車1台につき10ドルを払います。

 ここから先、まだ最初に見るところまで40分ぐらい走りました。
 ヨセミテの中は東京都の1.4倍の広さがあるんだそうです。たとえるならば、お台場と新宿と八王子と高尾を一気にドライブでまわるような感じ?? でもぜんぶ山、山、山、そして森、ときどき渓流、滝、草原。なにより圧倒されるのは、怪獣が山をがばっと食べてしまったかのような、異様な形の岩、というか岩でできた山です。あちこちに天高くそびえたっています。何を見てもそのスケールに「すごい」と絶句していました。

 最初にみたのはブライダルヴェール滝でした。
 駐車場に着いて車から降りて、頭の上のほうを見ると、そこは空でしょ? という位置から、滝が流れおちているではありませんか。落差なんと189メートル。圧倒されてしばし呆然。なんだこのスケールは!!?? 風がふくと、ふわ〜っとシャワーのように水しぶきが舞い上がります。ブライダルヴェールといわれるゆえんです。

 そしてヨセミテ滝。こちらは遠くから見たので音や水しぶきという点ではそれほど迫力はなかったんですが、スケールの大きさにやはり圧倒されました。その後、最大の見どころと噂に聞いていたグレイシャーポイントへ。ヨセミテの中心のヨセミテビレッジから、車で30分以上、小一時間ほど車を走らせました。狭い山道をひたすら山道を登ります。対面通行で、ヘアピンカーブ。なのに対向車がセンターラインからはみだしてくるし、崖になっていても一切ガードレールがない。この狭い道を、バスだって平気で走ってくる。怖すぎます!!!!

 そうしてやっと着いたグレイシャーポイントの駐車場。標識にそって歩いていくと、そこは山のてっぺんでした。そう、さっきまでいたヨセミテビレッジがすぐ下に見えます。真下です。あまりの高さに血が引いて鳥肌がたってきました。なんと、ここは、980メートルもの断崖絶壁の上だったんです。

 下を見ると怖いので正面を見ると、谷を一望する素晴らしい景色。そしてそこにはハーフドームが! 山の形をした岩を包丁で半分にスパーっと切ったような不思議な形の山というか岩なのです。

 あまりにすごい眺めで、感動を通り越して呆然として、しばらくじっと見ていました。

 実はこれまで、あまりヨセミテに行きたいとは思ってなかったんです。その原因を考えてみると、写真では、まったくそのすごさが伝わらないからではないかと思いました。人物やお花といったスケールの小さいものと違って、夕焼けや空は、写真にすると、小さすぎて何も伝わらない。せめて壁紙ぐらいの大きさに引き伸ばさないと話にならないと思うのです。

 実際に行ってみて、これはどんな都市よりも宮殿よりも美術館よりもすごいものだ、とため息が出ました。人間のつくったものは、しょせん大自然にはかなわないのだと、改めて感じました。
 
 6時にヨセミテを出て、家に着いたのは10時半。強行軍でしたが無事に行ってこれて、6月の雪解けで水量が多い滝を見られたのはラッキーでした。今度は夕暮れのハーフドームが見たいなあ・・・。宿の確保をがんばらないと。