音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

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松居慶子さんライブ@オークランドYoshi's

No Borders
No Borders
Keiko Matsui

 ちょっとご報告が遅くなりましたが。
 5月21日、オークランドのジャズクラブYoshi'sに行きました。
 日本人ピアニストの松居慶子さんの公演があったのです。

 http://www.yoshis.com/
 ジャックロンドンスクエアという港のそばの広場近くにあります。
 
 ふつうの日は、8時からと10時からの2回公演ですが、日曜日はなん
とマチネー、2時からの昼間公演と夜8時から。しかもマチネーだと、
子連れOKなんです!!!
 
 オークランドは、サンフランシスコのすぐ対岸の隣の町。我が家から
は車で平均2時間ぐらいかかります。しかもオークランドは治安が悪い
ので有名。なにより子連れだし、平日の夜なんてとても行けません。

 でも日曜日のマチネーなら日帰りで、余裕で行って帰って来れます。
 客席を見渡すと子連れは2割ぐらいでした。

 たまたま空いていた席は、ステージにくっついたテーブル。
 舞台中央の慶子さんと、パーカッション奏者のまん前、かぶりつきの
席でした。

 慶子さんのステージは、日本ではオーチャードホールなどの大きな会
場でしか見たことがありませんでした。かぶりつきの至近距離で聴くと、
慶子さんがちらっと周囲に目をやる表情も、ソロのときに集中した顔だ
ったり、にこにこしていたりといった表情もよくわかりました。

 さて、肝心の演奏は・・・たいへん素晴らしかったです!!
 近くで聴くと、荒い部分やミスなどが非常に目立つものですが、そう
いった部分がまったくなくて、これまでには気づかなかった見事な部分
にたくさん触れることができました。これぞ本物! 
 
 客席の反応といえば、やっぱり日本よりもダイレクトかも。とはいえ
ソロが終わったら拍手、盛り上がった曲のあとはさっと立ってスタンデ
ィングオベーション…ぐらいでしょうか。そんなに日本とアメリカで、
反応に大きな違いはないような気がしました。

 1時間15分ぐらいのステージで、お値段はなんと、子連れ親子24ドル、
普通の大人が25ドルです。
 これって日本の相場の半額以下です。かなり感激でした。

 ワンドリンクを頼まなければいけないけれど、3人で10ドルぐらいで
したから、これも日本より断然安いです。
 うう、サンフランシスコ市内に住んでいたら、たぶん毎週行ってしま
うだろうな。

 日本でも、ラ・フォル・ジュルネなど、子連れOKのイベントが最近
増えています。そもそも大人になってから突然ジャズを聴け、クラシッ
クを聴けだなんて虫がいいわけで、子どものころから娯楽のひとつして
与えていくことが、リスナー層の拡大には一番だと、改めて思います。

 レポートは、cyberfusion http://jazzfsuion.com にて公開中です。

 松居慶子さんのアルバムはいろいろありますが、いちばん新しいアル
バム
は、ライブDVDつきの二枚組みなので、初めて買うのならこれが
いいと思います。(このCDを持参、終演後にサインもらってきました)

ウォールズ・オブ・アケンドラ

 この日のライブで最初に演奏された曲が、朝を思わせるキラキラした
雰囲気で、とても素敵でした。どのアルバムに入っていたかしら、と家
に帰ってから探してみたところ、
"The wind andthe wolf" 収録の、
 でした。解説を読むと、ローラ・インガルス・ワイルダーの「はじめ
の4年間」からとったタイトルなんだとか。えーっ、その本、私も大好
き!!!! 

 聴きなおしてみると、1990年発売と、16年前の慶子さんが作ったこの
作品、ものすごく完成度が高いです。

 参加ミュージシャンのクレジットを見ると、カルロス・ヴェガ(ds)、
ポール・ジャクソンJr(g)、ネーザン・イースト(b)、ロベン・フォー
ド(g)といったスムースジャズ界のスーパースターの名前があちこちに
あって、びっくり。「Kappa」とか、「The wind and the wolf」のようなライブ定番曲も入っています。