音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

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幼稚園児にピアノを教え始める

 学生時代にはピアノの先生もやっていたのですが、その後はまったくやっていませんでした。ところが先月から、ご近所のかたに紹介されて、幼稚園の年長さんの女の子に、ピアノを教えることになったのです! 最初はお断りしようと思っていたのですが、お母様に「どうしても!! ぜひ!!」とおっしゃっていただいたので、じゃあ、がんばってみようかと。
 実はわたし、この8月からピアノ専門誌「ムジカノーヴァ」で、ピアノ教育者の呉暁先生の連載のライティングをやらせていただいているんです。呉暁先生は、「うたとピアノの絵本」「アキピアノ教本」など、バイエルにかわるピアノ教本の決定版ともいえるテキストを作った方で、ソルフェージュメソッドもつくっていらっしゃる。その呉先生のレッスンのコツ、メソッドの概要をわかりやすくまとめる仕事をしているわけです。で、私は、もちろん、呉先生の「うたとピアノの絵本」を使ってレッスンをはじめることにしました。

 はじめて2ヶ月ぐらいになりますが、ほんとうにレッスンって楽しいです。呉先生の教えにしたがって、30分のレッスンのうち、最初の15分から20分はたっぷりとソルフェージュをやります。リズムを打ったり、五線上の音符を読んだり歌ったり。 
 「うんたった、うんたった」「たんたんたんたん、たんたたたん」「たんたたたん、たんたたたん」・・・等々、簡単なリズムですが、超・正確にやろうと思うと、かなり難しい。8分音符がくっついて、走ってつんのめったようになってしまいがちなのです。きっちり均等に8分音符を叩き、テンポもキープしながら・・・ごちゃごちゃ理屈を並べても無駄ですから、とにかく私のリズム感を覚えてもらうために、一緒に叩く、叩く、歌う。歌うのも同じで、ピアノなしで歌ってみると、ドからミに音が飛んだりすると、なんだか音程が不安定になるもの。ピアノなしで歌って、もう一度ピアノを弾きながら歌って、もう一度ピアノなしで歌って・・・繰り返すうちに、だんだん音程がよくなってきます。
 こうやってソルフェージュを徹底していくと、毎回どんどん楽譜が読めるようになります。ピアノの曲は、すべてレッスンのときに歌って覚えて、その場で弾けるようにしてマルをあげます。家では好きな曲をやりたいときに弾けばいいだけ。新しい曲を自分で読んでくるのは、もっとずっと上手になって、楽譜がバリバリ読めるようになってからにします。
だから、やっている曲は初見でも読める曲だけ。宿題はなし。・・・楽しそうでしょう? これが楽しいんですよ。宿題なしでも上達するシステムを考えられた呉先生は、ほんとうに偉大!! だいたい、弾きたくもないのに練習しなきゃいけないというのは、ピアノを嫌いにしてしまいます。レッスンに来たときだけみっちりやって上達するような仕組みでなくちゃ。
 4月には、呉先生のお話をわたしが構成した本も出版される予定なんです。こっちの原稿もがんばらねば・・・