音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

セミナースケジュールはこちらです。 山本美芽オフィシャルサイト

中井正子さんのリサイタル

ご報告がすっかり遅くなりましたが、6月3日に中井正子さんのリサイタルがあったので、東京文化会館に行ってきました。
シューマンの「謝肉祭」と「クライスレリアーナ」という、
ピアノ曲の中でも難しいけれど、よくリサイタルで弾かれる曲目がプログラムでした。

中井先生は、身長161センチの私と並ぶと、頭ひとつ分ぐらい小柄で
いらっしゃるのです。が、「謝肉祭」の冒頭の「じゃじゃ〜ん!」
というオクターヴ+和音を使った派手なキメ(フュージョンじゃない
ですけど、まさにキメ、という感じ)が、スコーン!! と見事に気持ちよく鳴りきっていて。
音量って、弾き手の体格や筋力で決まってしまう部分が半分ぐらいはあるけれど、
残りは半分は弾き手のテクニック次第なんだなあ、と実感しました。

いきなり音量がどうこう・・・なんて書いてしまうと、技術偏重な聴きかた
みたいですが(苦笑)、
フォルティッシモからピアニッシモまでの広〜いダイナミックレンジがあって、
しかも実に多彩な音色があって…
という演奏は、色数が多い、みたいなもの。
やっぱり聴いてて楽しいし、気持ちいいです。

シューマンピアノ曲って、ファンタスティックというか、魅惑的
だな〜と思いながら本編を聴き、アンコールの「トロイメライ」には
「うわ、心にしみる〜! いまさら謝肉祭にチャレンジするのは、
…かったるいけど、トロイメライならなんとかなるかも…
練習してみよっと」と思いながら帰ってきたのでした。

ロビーでは、中井先生のスクリャービンのCDや、中井先生が
校訂したドビュッシーラヴェルの楽譜、そして私が構成を担当した
(←しつこくてすいません)留学記「パリの香り、夢みるピアノ」が
販売され、数十冊もあった本の山が、なんと完売になっておりました。

本が目の前で次々に売れていく様子や、ロビーをうろうろしている
人たちが本を入った袋をぶらさげている光景…というのは、かなり感激
モノでした。

工藤由美さんの日記でふっていただいた(?)日本のフュージョン
バンド再結成があいついでいることについては、次回にでも書きますね。
由美さんの日記は、うちと違って、連日のように更新されているので
毎日読みにいっております。私も、もうちょっと更新がんばらないと(爆)。