音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

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小曽根真コンサート@杜のホールはしもと

小曽根さんのコンサート、行って来ました〜!!
同じホールで1年半ほど前にも演奏を聴いているのですが、
そのときとは、かなり演奏が変わっていたように感じました。

ピアノ1台で、たったひとりのピアニストが、ひとりオーケストラみたいにスケールが大きくて、ダイナミックで迫力のある世界を作り上げていた現場に遭遇したわけです。

ピアニッシモピアニッシモで、何十人ものストリングスが息をひそめて
出したかのような緊張感をたたえていて、ふとした静寂には
お客さん全員が、息を止めてしまいそうな…

もともと小曽根さんといえば、おそろしいまでの速弾き、不可能では
ないかと思うほどの高速での連打…といった、ワールドクラスの
超絶技巧の持ち主です。

近年は、テクニシャンとしての自分はさほど打ち出していなかったような
気がするのですが、昨日は、持ち前の超絶テクニックをフル活用して
まさに楽器の王様としてのピアノから、シンフォニックな魅力を
存分に引き出してくれたように思いました。

目がくらみそうな速弾きでバアアアアーっと音階やアルペジオを弾いて
くれると、めちゃくちゃ華麗だったり綺麗だったり、ジェットコースターに
乗ったような気持ちよさがあるんです!!!!

特に印象に残ったナンバーは、3月20日に札幌で行われた
塩谷哲さんとのデュオコンサートのために書いたという
「名無しのタンゴ」。
すっごくパワフルで、情熱的なんだけど、
ちょっと抑え目な部分もあって、それがかえって思いの強さを強調するような…。
聴いているうちに、まるで内臓をつかまれ、ぐいっとひねられるような感触がして、背筋がぞわぞわしました。

アンコールで手拍子をしながら聴いた「モーニン」も、あの印象的な
フレーズの繰り返しが、シンプルなんだけど、すっごく
ジャジーというか、スイングしてる! って感じで、心地よかった〜。

いや〜聴き応えのあるコンサートでした。