木曜日、STB139で行われたライヴに行ってきました。
野呂さんといえば、カシオペアのリーダーのギタリスト。
今月発売になったソロアルバム「ライト・アップ」では、
またしてもフレットレスギターだけを弾いてます。
フレットレスギターというと、ヴァイオリンみたいにフレットがない
ギターってことで、ぽわ〜んとした音色のギターです。
ライヴで聴いてみると、「あ、すごくバンドサウンドになったなあ」と
思いました。
細かい「あのメロディがいい」「ここがカッコいい」っていうことよりも
常に流れている音の質感、手触りならぬ耳ざわり…が、とにかく
すばらしいバランスで、気持ちよくて。
野呂さんに関しては、不思議なことに、いつ、どんなステージで演奏を
聴いても「は〜やっぱりさすがだわ! 今日は生で野呂さんの演奏を聴けて
良かったわああああ」としみじみして帰るんです。
カシオペアでも、セッションでライヴハウスに出られるときも、いつもそう。
この日思ったのは、やっぱり野呂さんの本領がいちばん発揮されるのは、固定のメンバー
で、緻密な構成を準備してのぞむ「バンドサウンド」なのかもしれないなー、ということ。
先日のパット・メセニーのライヴが終わってからずっと考えているのですが、
フュージョンって、「緻密さ」や「事前の取り決め」みたいな部分が
大きな魅力になっている音楽だと思うのです。
そして、私がジャズではなくフュージョンにひかれるのは、
その部分なんじゃないかな、と。
なんていうか、集中力の種類が、クラシックにも通じるような…。
野呂さんのソロライヴは、まさにそのフュージョンの「緻密」な部分が
あるからこそ、スリリングだし、炸裂する部分はエキサイトできる、そんな
ステージで、心から楽しかったな〜と思えるハイクオリティなものでした。
大好きなピアニスト、和泉宏隆さんの演奏が聴けたのもうれしかったです。
ときにロマンティックに、ときにスピーディで激しく
ソロを弾いてくれる場面があって、
「フュージョン系のバンドでの和泉さんのプレイなんていまどき貴重!!」
と、感激もひとしおでした。