そして急に、彼らが出した今年のアルバム「T-スクェア」が聴きたくなりました。いま、聴きながら文章を書いています。
私がはじめて聴いたフュージョンはT-スクェアでした。はじめはフュージョンって音楽があることも知らなかった。その頃から今まで、一番好きなバンドは、ずっとT-スクェアでした。T-スクェアというバンドがなかったら、私はフュージョンも聴いていないし、ライターにもなっていない。誰の人生にも決定的な出会いがいくつかあるわけだけど、私にとってT-スクェアの存在はそうした決定的なものでした。
毎年のツアーのチケットを買って、どんな席かな、どんな曲をやるのかなってドキドキしながら当日を待って。メンバーがステージに出てきただけで、音を聴いただけで、もう、胸が張り裂けそうにうれしくてうれしくて、とびあがってしまったこと。
コンサートが終わってから興奮がおさまらなくて、友達としゃべっていたら駅と反対の方に行って道に迷ってしまったこと。
ツアーの「ならではコーナー」で、メンバーがふたりでデュオとかやってくれたこと。
和泉さんの名曲「ミラージュ」を聴いて、めちゃくちゃ感動したこと。
家に帰ってからパンフを読んで、ライヴの思い出にひたっていたこと。
日比谷の野音で毎年行われた、いろんなイヴェント−−ホーンセクションが来たり、仙波さんのパーカッション軍団が来たり、ストリングスが来たり、歴代のメンバーが集まったり・・・。
本田さんと和泉さんが脱退するときのライヴで、明るくオーメンズ・オブ・ラブを吹く本田さんを見たら、この姿はもう二度度見られないんだと思って、涙が止まらなくなってしまったこと。
それからメンバーチェンジがあって、ジャズライフの取材に行って・・・だめだ。書ききれない。全部書いたら本1冊分ぐらいになっちゃいそう。
うわーーーん。バンドとしてのこういう活動は、もうないだろうな・・・。そう考えていろいろ思い出したら、なんだか涙が出てきた。
いろんなことが、ありすぎて・・・。