音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

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「妄想方向の勘違い」をしないようにするには(1)

最近話題の「ストーカー」。ミュージシャンにとっても心ひかれてしまい、「あの人のことならなんでも知りたいっ!!」と調べまくっている私は、いったい彼らと何が違うのか。ということから書き始めて、もう5回目になってしまいました。

きょうは、勝手に有名人も自分のほうが好きであると思いこまないための冷静な判断力を持つべく、「心が大人になる」にはどうしたらいいか・・・ということでした。

まず、「誰にでも通用する方法があるわけない!」というのを前提にしまして。
単純にいえば、「若いうちの苦労は買ってでもしろ」ってことになってしまうのでしょうか?

ひとつ、わたしが原稿を書くときの例をあげてみます。
〆切間際になり、原稿を書いていると、自分の書いた文章の世界に心がどっぷり漬かっていきます。すると、その文章が変かどうか、わからなくなってしまうのです。
 たとえば、ありがちなのが、「カシオペアに詳しいわたしには主語がわかってるけど、カシオペアに詳しくない読者には意味不明の文章」。突然、インタビューしていて「今回はAスタを使った」という話が出てきたりします。私はカシオペアの事務所の1階にスタジオがあって、取材に行ったこともあるので、そのスタジオのことだとわかっているわけです。だけど、知らない人にはそのまま書いちゃったら「は?」ってことになる。だいたい「Aスタ」というのが「スタジオ」の略ってことも、わからない人にはわからないことです。インタビューではすっとばして話を進めたことも、原稿では知らない人にも事情がわかるような書き方をします。
 この例だったらわりと簡単なので、頭がかなりヤバくなっていても、ちゃんと配慮した原稿を書いていけますが、原稿を書いているとこういうことが無限に起こってきます。で、ショート寸前の頭だと、他人には意味不明だけど自分にはよくわかる文章を書いたまま、「うん、これでOKだわっ」などとにっこりしちゃったりするという、まずい状況になっていたりします。
 そこでまずやるのが、印刷して原稿を読むこと。印刷すると、「なんで!?」と思うような間違いがボロボロ出てきます。