音楽センスを伸ばしたい!

音楽ライター山本美芽による、ピアノレッスンに関する取材日記です。

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月謝を持って来ず、話し続ける保護者

先日の記事を読んだピアノの先生から、こんなメールをいただきました。

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こんな保護者のかたが

以前、私の教室にいらっしゃいました。

 

口頭で言ったことは、確実に忘れます。
本当なら、メールよりは電話(そして電話よりは対面)と思っていますが、「文字」に残しておかないと確実に忘れます。

文字に残しても忘れるお母さんでした。

 

そして、一番言いにくいけど大切な「月謝」に関しても大変悩まされました。
いつも私が請求を3度ほどして、毎月いただく形でした。必ず第3週にお配りし、翌月第1週という規約はあるのに、毎回でした。

普段は、練習しないお子さんにも関わらないご様子、たまに聴いてあげてくださいと伝えても、

・忙しいから
・子供自身の問題だから

と このようにお話しされるのですが、
たまにレッスンのお迎え時に話してくれることあるのですが、次の生徒さんのことも気にせず、こちらが 静止するまで ずっと話し続ける………このような感じでした。

結論、私は その都度 そのお母さんに冷たい態度を取っていました。

 

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こちらのご家庭は、結局退会されたそうです。

お母さまは、学校の懇談会でも先生に失礼なことを言って皆を唖然とさせていたとか。

 

 

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障害なのか病気なのか、どちらでもなくただ失礼なだけかはわかりませんが、コミュニケーションがうまくいかない障害や病気を抱えていた可能性もゼロではないでしょう。

 

 

 

 

 

精神的な問題を抱える保護者と、どう接するか

全国のピアノの先生たちから、毎日いろいろなご相談のメールが届きます。

 

コミュニケーションというか、会話がほとんど成立しない、すごく失礼なことをズバズバ言ってくるお母さまがいて困っていたけれど、結局、退会されたというお話をききました。

 

気分がよくないと思うのですが、「もしかして、精神的な障害や病気の可能性も考えてみては?」とお伝えしてみたら、「気づきませんでしたが、そうかもしれないですね。思い当たることが沢山ありました」とのこと。

精神的な病気や障害の場合、知能は普通なのですが、コミュニケーションがうまくいかない場合があります。 

フェイスブックのライティング研究会で、精神的な病気・障害を抱えていると思われる保護者様と接した経験があるか、全国の先生方に尋ねてみたところ、たくさんの事例が寄せられました。

 

治療中で、病気や障害の自覚があるパターンはいいのですが、自覚がなく治療もしていないけれど、通常のコミュニケーションが成立しない場合、かなりご苦労が多いようです。

このようなお声をいただきました。

「時々、あれっと思う保護者はいます。失礼だということがわからないようです。脳の仕組みが違うと本には書いてあって傷付かないようにと思うものの、傷付きます」

 

「両親揃って体験に来て、お父さんがウロウロしながら、じろじろと部屋を見回し、あげく勝手にカーテン開けたりして、驚きました。レッスン開始しても、人の話は聞かないし、お母さんは怒りまくっていました。結局退会されましたが、お父さんが問題を抱えていた可能性にあとで気づきました」

 

 

春の体験レッスンシーズンで、新しくいらっしゃる生徒さん、保護者様との出会いがあるなかで、生徒さんだけでなく、保護者がこのような問題を抱えている場合も当然起こりうる。問題と書きましたが、それが障害なのか、病気なのか、どちらでもないのかは、素人には判断できません。ただ、「変」と感じたら、その原因がなんであれ、距離をとり、踏み込まれないようにすることも、リスク管理としてときには必要になってきます。

 

ただの「失礼」なのか、もしかして何か問題を抱えているのか。

後者の可能性も、知っておいたほうがいいでしょう。

 

 

 

山本美芽セミナースケジュール

mimeyama.jimdo.com

 

 

 

 

チェルニー30番の秘密

上田泰史先生のチェル二ー30番の秘密、きのう夜帰ったら宅急便の不在票が入っていてきのうのうちにゲット。春秋社さんから送っていただきました。

ざっと読了。面白い。猛烈に優秀な研究者でいらっしゃる。しかも音楽学の偉い先生の本にありがちな、一般人には解読不能な意味不明な難しさがないのが凄いです。わかりやすい。

いきなり私の名前が最初に出てきて冷や汗でしたけれども。フランス語ができてパリで研究する機会があって音楽学の知識があったら私もこういう本を書きたかったと心から思いました(無理だけど)。

どういう背景があってそれぞれの楽曲が出てきたのかの考察が素晴らしい。これを頭に入れて弾いたりレッスンしたら絶対面白くなりますね。上田先生の博士論文をまだ読んでないので探してみよう。

 

まだ山本の「21世紀へのチェルニー」ご覧になってないかたは、ぜひ併せてどうぞ。

 

「チェルニー30番」の秘密: 練習曲は進化する

「チェルニー30番」の秘密: 練習曲は進化する

 
21世紀ヘのチェルニー 訓練と楽しさと 山本美芽/著

21世紀ヘのチェルニー 訓練と楽しさと 山本美芽/著

 

 

 

【新刊】ピアノ指導者のためのピアノ教本ガイド

ピアノ指導者のためのピアノ教本ガイド

2017/5/10 発売予定
 
大変長らくお待たせいたしました。
ここ数年ずっと執筆していた、
ピアノ教本ガイドの出版が5月10日に決まりました。
 
1部 ピアノ教本の概観
 
2部 おもなピアノ教本について、くわしくガイド
 
3部 乗り換えなど実際の使い方、選び方
 
というような内容になっております。
 
教本をつくった著者の先生方、そして現場の先生方、両方に幅広く取材、さらには音楽教育のルーツについては大学院時代に学んだことも含めた内容となっています。
 
現状に即した、生徒に合った教本を選ぶための情報をまとめてみました。
 
ぜひご予約くださいませ。

 

ピアノ指導者のためのピアノ教本ガイド

ピアノ指導者のためのピアノ教本ガイド

 

 

 
 
 

滋賀 南草津 ロマン楽器にて教本セミナー

今日は初の滋賀セミナーでした。f:id:mimeyama:20170329180744j:image

 

 

立派なホールにヤマハのフルコン、プロジェクターまでご用意いただき、感激でした。

 

 

ロシアの影響、トンプソンの影響、バルトークミクロコスモスの影響、などを中心に、教本の歴史についてお話しました。

 

連弾のお手伝いいただいた深田紀美子先生、入江範子先生、ブログで告知くださった陰山加奈先生、ありがとうございました!

 

 

 

 

大学の先輩が、歌人になっていた

歌人の千葉聡さんは、学芸大の大学生協でお世話になった国語科の先輩です。
当時は愛称、さっしいさん。優しい先輩なんです。
たくさん悩みを聞いてもらったな。

今は、ちばさと。

毎日新聞の記事を見て、ツイッターアカウント探したら、いた! ツイッターに。さっそくフォローしたら、さっそくフォロー返してくれて、翌日には歌集を送ってくれました。

 

一気に読みました。

 

高校教師のさっしいさん。舞台は、さっしいさんか勤める横浜の戸塚高校。 

エッセイのなかに短歌が織り交ぜられる形式です。

 

ナイーブで優しくて、あったかいさっしいさんが、バスケ部の顧問に。運動苦手なんだそうです。自分へ吹奏楽部でファゴットだったんですって。ファゴットですよ。縁の下の力持ちで、めんどくさくて、繊細で、難しい、でも、実はみんなをあっといわせるようなインパクトのある音が出る楽器。いかにもさっしいさんらしい。

バスケに詳しいアスリートの先生が顧問に必要だ。さっしいさんは、バスケの顧問になってくれと頼みに行きます。

 

もう、青春ですよ。

わたしは1年だけ中学校で先生として教えていたときの気持ちが、アルバムをめくるように解凍されて、あちこち泣けて、しかたなかった。

 

だから何なのかを声高に叫ぶ本じゃない。

でも読み終わったら、じんわり、スッキリ、いい気分になれます。

 

今日の放課後、短歌部へ! (単行本)

今日の放課後、短歌部へ! (単行本)